築古マンションをリノベして住もう2~スケルトンからの制作編

こんにちは!もりのがっこうアサミです。

築古マンションをリノベーション(=既存の建物に新たな価値を付け加える改装工事!だそうです。以下、リノベ、と略しますね)をしておりまして、インスタなどでもちょこちょこアップしていましたら

『そこ、詳しくっ!!』

と、友人からメッセージが来まして、詳しくコラムに綴ることにしました。

さてさて、リノベーションでは、全て天井や床を剥がしてスケルトン(骨)の状態にすることがあります。

普通は、買い手には見せない現場なのですが
(廃墟状態だとびっくりしちゃうし、こんな感じで大丈夫!?って不安になってしまう様です)

特別に!細かく細かく見せていただきました!

古賀さんの温かいお人柄に安心してお任せできましたし、本当にありがたかったです。

スケルトン状態

壁や床を剥がしたのが、この状態。

廃墟みたいですね。

上から配線という配線が降りてきています。

家って見えないけど、こんなに配線があるのですね。

壁や、天井を通って私たちにスッキリとスマートに電気を共有してくれているのですね(感動)

そして、昭和の家の塀で見覚えのあるコンクリートが剥き出しになっていました。

おぉ。。。こんなマンションの中身ってこんな感じなのね。

実際見ると圧巻で何か芸術作品の中にいるみたいな衝撃を受けました。
(もちろん、崩れそうな部分は全て補修されるそうです)

そして各部屋へ!

会長が機嫌よく掃除してくれてます。

そして、またまた衝撃を受ける私!

北側の窓は、結露していたのかカビがびっしり。。。

「おぉ。。。」今度は声にも出ていました。笑

え~こんな場所住めるの?!
ってなるから、スケルトン物件は入れないのでしょうね(笑)

最初に古賀さんがお話しされていたことが、よく分かりました。

私たちが、古布のリフォームをしたとしたら、
ボロボロの古布を見たお客様が、これちゃんとした服になるんですか?!って疑問を持つ様なものですよね。

それは、お・楽・し・み!ということですね。

ちなみに、築50年のこのマンションは、配管も壊れていてお風呂は水漏れもしていました。

配管から全て取り替えて、お風呂部分の水漏れ加工となかなか大変だったので、古い物件のそんなリスクも記載します。

でも太陽が一日入って、部屋から全体に風が吹き抜ける。

また、街にカルチャーがある。
音楽好き、服付きが集まる街が気に入り
この物件にすることにしました。

天井部分を抜いた時に、古賀さんが『わぁ面白い!』と言いました。

天井に三角お屋根みたいに角があったのです。

『これは嬉しい誤算だね。この部分を残して一軒家みたいにしちゃおう』
私には全然想像もつかなかったけど、とても楽しそうに話す古賀さんでした。

玄関からの景色

『玄関からの景色が素晴らしいね。玄関を開けると向こう側に窓がある。ベンチを置きましょう。』と楽しく語っていました。

古賀さんは、心の底から制作が大好きなんだな~ってこちらも嬉しくなりました。

私自身もモットーにしていて、大学の生徒にもよく話すことなのですが、“好きというパワーに勝るものはない”。

その理由は、好きなことって、”努力を惜しまない”どころか、”“努力にすら感じない”ということ。楽しくて勝手にやってしまう様なこと。

義務やお金を稼ぐということだけを目的にしている人と比べた時に、その仕上がりは歴然だと思います。

古賀さんにお願いできたことがすごく嬉しく思いました。

このように何回も訪れないとお話も聞けなかっただろうから、それもとても光栄なことでした。

骨組み完成!

それから数日後、骨組みが出来上がりました。

部屋中が写真の様になっていてジャングルジムの中にいる様です。

この辺りから、音もすごいですし、職人さんの作業の邪魔にしかならないので会長入室NGです。(会長ファンの方すみません。笑)

この枠組みの状態から、さらに翌週。

小窓が可愛いキッチンのベース完成!

わぁ~!!出来上がりました。
木工室のようで可愛いですが、これはベース状態です。

やっぱり小窓可愛いです。

可愛い小窓を覗きならがお料理。
夢が膨らみます。

キッチンの仕上がりも俄然楽しみになりました。

古いコンクリートを残すという選択

梁(はり)をご存じでしょうか??
私も今回初めて知ったのですが、

梁は、建物を支える重要な骨組みの1つです。
骨組みは普通、床や壁、天井の中に隠れていて、目に触れることはあまりありません。

一般的に梁のクロスを剥がした時に、ぼこぼこしたコンクリートが姿を見せます。

このコンクリートを綺麗にコテを使って塗り仕上げて、その上から新しいクロスを貼るのが一般的なリフォームです。

今回予算も限られており、その中で古賀さんの提案は、
『梁は、古いコンクリートを残しちゃいましょう』というご提案でした。

そう工程が一気に減り!かなりコストダウンが叶うのでした。

凹凸が汚く見えるから、綺麗に整えないといけないという考えを飛び抜けた感性に共感しますし、とっても面白いなぁと思いました。

コンクリートのガサガサって汚いの?
美しくないものなの?

All colors are equally beautiful
全ての色は等しく美しい

葉っぱのフレディという英語の絵本で、私がすごく好きな一節です。

古賀さんのクリエイティブを見ていると思う一説でした。

ちなみにこちらは出来上がった梁です。

コンクリートを削ったそのものが現れており、アートのような自然体になりました。

そして、少しニュアンスのあるグレーがかった白にすることで清潔感もある仕上がりになりました。

木毛セメントボードのニュアンス

今回木毛セメントボードを使用しました。

文字通り、木の皮をたくさん貼り付けて1枚板になっているボードで、すごく面白いニュアンスのあるボードです。

また廃材を使用して作成するので、ちょっとエコロジーなのも嬉しいポイント。

そんな木毛ボードを1つの壁にすることにしました。

木毛ボード貼り付け中

すごいナチュラルで可愛い!!

そう思いました。

しかしナチュラルなのは、まだ仕上がっていないからで、私の想像力が足らなかったみたいでした。

『今から塗装したらもっとナチュラル感は消えて、プロダクトっぽくなりますよ。』

と古賀さんはお話しされました。

2倍楽しみをいただいた感じでした。

50年前の大理石を残そう

今回のリフォーム。先述した通りいくらでも使っていいから・・・なんてことではなかったので、至る所で工夫いただきました。

その工夫の1つが、このマンション建てられた当初からあった大理石のお風呂場の壁でした。

見学に行った時は、床に近い大理石は焦茶色に変色していて(おそらく長らく使われていなかった様です)これは…という印象でした。

ここで古賀さんの提案で、
『大理石を綺麗にして使いましょう。そしてあまりにも汚いお風呂部屋の下半身の部分はモルタルに変えましょう。』

え!これを使う?!目から鱗でした。

『大理石って天然素材だから実は磨けばいつまでも美しいのですよ。資源を捨てずに再利用できるし。それに僕、大理石マニアってほどの石好きで(笑)』

古賀さんの前作では、キッチンに大迫力の大理石を使われていました。
それは古賀さんが岐阜まで出向いて、買い付けたものだそうです。

岐阜は石がすごく有名みたいです。
故郷なのに知らなかったです(勉強になりました)

『僕は、偶然にできた柄というものが好きなのかもしれません。』

そう古賀さんは語ります。

そういえば、先述のコンクリートの剥き出しも、大理石も、木毛ボードも
偶然にできた“柄”
と言えます。

その偶然にできた産物や捨ててしまうような部分を古賀さんは拾い集め、新品のものと混ぜて全く違う性質のものを作り上げる。

それは紛れもなく古賀さんのセンスです。

だから古賀さんの作品は素敵で面白いんだなと思いました。

古賀さんと私。
いざ撮ろうとすると照れ臭いのかよ!
(ソーシャルディスタンスを気にしてちょっと距離ある感じが面白いです)

さてさて、次回は仕上りです。
リノベ編は、ゆっくりペースですがお付き合いいただけると嬉しいです♥

もりのがっこう アサミ

ABOUT ME

もりのがっこう 後藤麻美
もりのがっこう 後藤 麻美
鞄と服のブランド「もりのがっこう」代表。2008年にショップを立ち上げ、ハンドメイドアプリminneやcreemaで8万人がフォローする人気作家となる。著書に「使い勝手のよい いつものバッグ」「暮らしが豊かになる服作り」。 骨格診断ファッションアナリスト、パーソナルカラーアナリスト。2020年4月から杉野服飾大学の非常勤講師(授業の様子)。普段は4児の母としても日々奮闘する。